映画 チェルノブイリ。 ここまでひどいのか…「チェルノブイリ」ドラマがものすごい

子どもたちの夏 チェルノブイリと福島

映画 チェルノブイリ

史上最悪と言われたチェルノブイリ事故から四半世紀が経った。 事故直後、国家の首脳部たちの反対を押し切り、多くの子どもをいち早く救った最高会議の女性議長が、避難時の新たな事実を語る。 そして、事故の被害を受けた現地の医師や教師たちは、目を覆うような現状を明かすが、母親になる若い世代や子どもたちの将来に対する前向きな思いを語る。 一方、福島では、原発事故後初めての夏を迎える。 被災地における復興が進みつつあるなか、原発から40キロ圏内のいわき市では、母親たちが放射能から子どもの身を守るため、全力を尽くしていた。 子どもたちは外へ出ないよう車で送り迎えされ、部屋のなかで遊んでいる。 母親たちは、早々に出された市の安全宣言に疑問を持ち、同じ不安を抱える親たちとつながりを求めていく。 そんななかでも子供たちは無邪気に遊び、明日への希望にあふれている。 チェルノブイリの人々が語る言葉は、福島の未来を照らすだろう。 関連するキネマ旬報の記事.

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HBOの本領発揮、傑作ドラマ『チェルノブイリ』が暴く原発事故の真相

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先日の第71回(2019年)プライムタイム・エミー賞で、リミテッドシリーズ部門の作品賞、脚本賞、監督賞、撮影賞、作曲賞など10部門を受賞した今年のドラマのなかでも屈指の話題作だ。 C 2019 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved. HBO R and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc. 物語は発電所で起きた謎の爆発から始まる。 そのときすでに炉心は吹き飛んでいたが、職員のほとんどが事態を把握できず、責任者は事の重大さをまったく認識していなかった。 やがて地区の消防士たちは、何も知らされないまま現場へ向かって消火活動にあたり、近隣の村に住む住民たちも無防備に外に出て、まるで花火でも見るように発電所の火災を見物していた……。 無知と無責任によって被爆と放射能汚染が拡大していく恐怖と戦慄は、下手なホラー映画よりも格段に恐ろしい。 冒頭から決して楽しい展開ではない。 ここで描かれるのは、人類が解き放ってしまったコントロールできないものとの決定的な負け戦だ。 そして、最後まで一気に引き込まれていく。 事故から30年以上経ち、ようやく物語として語ることができるようになったこの題材に、作り手たちは最大限の勇気と情熱を持って取り組んでいる。 そして、日本の視聴者は当然、このドラマを客観的に見ることは不可能だ。 だが、避けて通るべきではない。 これは映画館で見られない傑作どころか、日本の地上波テレビでもおそらく放映されることのない、だからこそより一層価値のある必見作といえるだろう。 C 2019 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved. HBO R and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc. やがて専門家の検証が始まり、事態は予想を遥かに超えて深刻で、欧州全土に壊滅的な影響を及ぼすメルトダウンが進行中であることがわかる。 多くの者たちが命を捨てて危機を回避しようとする一方で、社会主義国家お得意の国の面子のための隠蔽と口封じが繰り広げられ、多くの真実が闇に葬られようとする……。 中盤から後半にかけては、メルトダウン阻止のために名もなき英雄たちが闘うパニックサスペンスと、事故の原因が明らかにされ、正義が実行されるか否かの社会派ミステリーが同時進行してスリリングにドラマが進み、同時に消火活動にあたって被爆した消防士と妊娠中の妻の悲恋ラブストーリーで涙も誘う。 C 2019 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved. HBO R and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc. このシリーズの中心人物である企画、脚本、製作総指揮のは、これまで「絶叫計画」シリーズや「ハングオーバー」シリーズの脚本を担当し、「」(2000)や「」(08)では監督もしているマニア系コメディの作家だが、今回は笑いを完全封印し、様々な陰謀系映画やドラマの名作をしっかりと踏まえて、見事な代表作をものにした。 IMDbによると、物語の大筋は91年にが監督し、、らが出演したテレビドラマ「Chernobyl: The Final Warning」のリメイクということだし、ラブストーリーの部分は、映画版も作られた2013年制作のウクライナのミニシリーズの力作「Inseparable(Motylki)」の影響も見られるが、もちろん2019年に改めて世界に問うオリジナル作品として独立したものになっている。 スウェーデン出身でミュージックビデオやCFで名を馳せ、「ブレイキング・バッド」や「ウォーキング・デッド」の数話を演出しているヨハン・レンク監督は、ダークかつヘヴィな映像と音楽の、落ち着いたトーンで物語を進めながら、随所に鋭利な刃を光らせ、見る者の心に突き刺してくる。 、、と、キャストも派手な顔ぶれを一切起用せず、渋い本格派の演技を積み重ねてリアリティを追求しているのも素晴らしい。 C 2019 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved. HBO R and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc. チェルノブイリは過去の話ではないし、決して終わることのない物語である。 そして、チェルノブイリと同じ、国際原子力事象評価尺度(INES)レベル7の大事故となった東日本大震災による福島第一原子力発電所事故も同様であることは言うまでもない。 こうした作品が世界中の多くの人々に見られることは、人類規模の大事故を風化させないだけでなく、一度事故を起こせば取り返しがつかないその危険性を再認識させることで脱原発を加速させるとともに、今も稼働中の日本を含め各国の原子力発電所の安全にもつながるハズだ。 と同時に、この勇気あるドラマは、日本の映画やドラマの作り手たちにもぜひ見て欲しい。 現在、日本では福島の事故を描く「」が製作中だが、このシリーズの後に下手なお涙頂戴映画を世に出すことは許されない。 そして、福島に関しては映画やドラマにすべき物語はまだまだ無数にあるだろう。 「チェルノブイリ」は、スターチャンネル、Amazon Prime Video内「スターチャンネルEX」で放送中。

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ここまでひどいのか…「チェルノブイリ」ドラマがものすごい

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『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBOが製作し、『ブレイキング・バッド』『ウォーキング・デッド』のヨハン・レンクが監督、ヨーロッパの実力派俳優が集結した超ド級の社会派エンターテイメントドラマ『チェルノブイリ』。 人類史上最悪の原発事故はいったいなぜ起こったのか。 事故発生時の様子と、隠蔽を図る国家とその顛末までを克明に描いた圧倒的なリアリズムと、サスペンスフルな真相究明劇が融合し、世界中から称賛の声を集めた本作の魅力に迫る。 未曾有の大事故を描く社会派ドラマ 人類史上最悪の事故と称されるチェルノブイリ原発事故。 その発生から30年以上の時を経て、あの日、あの時、そしてその後、チェルノブイリで何が起こっていたのか、その真実を圧倒的なリアリズムで描いたのがドラマ『チェルノブイリ』だ。 旧ソ連のウクライナ共和国にあるチェルノブイリ原子力発電所の4号炉で事故が起こったのは1986年の4月26日。 炉心はメルトダウン後に爆発し、放射能性物質が広い範囲を汚染した。 発電所の従業員と家族が住民の大半を占めるプリピャチ市を中心に、避難区域は2600平方キロメートルにも及び、約30万人もの周辺住民が避難を余儀なくされた。 過去に前例のない、それゆえに事態は悪化の一途をたどった。 当時のソ連では自国で開発されたRBMK炉(黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉)が事故を起こすなどあり得ないとされ、その前提があるがゆえに、現場の人間が危険を訴えても、チェルノブイリ原発の責任者たちは事故を過小評価してしまった。 国家は高線量の放射性物質が検出されたスウェーデンのフォルスマルク原子力発電所からの問い合わせがあるまで、世界にも事故が起きたことを隠そうとし、周辺住民の通信は遮断。 住民はもちろん、消火活動に努める地元消防士たちにも真実は知らされず、避難が開始されたのは事故から約2日後だった。 後に明かされる原子炉の欠陥と、ヒューマンエラーが生んだ負の連鎖。 これが未曽有の大事故の正体だ。 ドラマは事故から2年後、現地に派遣された核物理学者ヴァレリー・レガソフ(ジャレッド・ハリス)のウソの代償についての独白から幕を開け、そして事故当日のチェルノブイリへと舞台は移っていく。 事故が起こった夜、対処に追われる現場作業員たちの必死さとは裏腹に、プリピャチの住民たちは青白い不思議な光を発するチェルノブイリ原発を眺めながら、「美しいね」とまるで花火でも見ているかのような言葉をつぶやき、やがて雪のように舞い散る死の灰の中では、子どもたちが無邪気にはしゃいでいる。 後に彼らを待ち受ける悲劇を思うと、そのあまりに静謐で、牧歌的な風景が切ない。 だがそんな住民たちの日々も、事故の収拾と現場検証のために来たレガソフの到着によって、たちまち霧散していくことになる。

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