ソニー 半導体。 ソニー、7~9月期の半導体事業は過去最高 長崎新棟整備へ投資増額を示唆

第一線で活躍中のエンジニアが明かす“ソニー イメージセンサーの強み”

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2019年度中にも量産出荷されるソニーの車載半導体、「IMX324」は、アメリカのインテル傘下であるモービルアイの画像処理半導体に接続する(写真:ソニー提供) 2015年から専門部署が発足したという新しい事業であるため、ソニーの車載センサーのシェアは5%ほどとまだ低いが、品質面では夜間や逆光下などでも高画質の映像を撮影できる点で評価は高い。 5割超のシェアを占めるアメリカのオン・セミコンダクターから「当社の最大のライバルはソニー」(同社副社長のデビッド・ソモ氏)と恐れられる存在だ。 ソニーはすでにトヨタの高級車レクサス「LS」や、普及価格帯のクラウン、カローラ向けなどをデンソーに出荷しているほか、独ボッシュなどとも取引が始まっている。 ただ、ティア1以上のセンサーの技術を持つソニーも、自動車業界特有の、すりあわせ型開発や、温度や振動への耐性など、厳しい品質水準への対応は十分ではない。 だからこそノウハウを吸収すべく、自動車業界出身の人材の獲得が必要なのだ。 ルネサスの車載半導体トップが電撃移籍 昨年9月には、ルネサスエレクトロニクスで車載半導体部門トップだった大村隆司氏が同社退社直後にソニーに移籍するという電撃人事もあった。 ソニーでの役職は、半導体事業トップの清水照士に次ぐナンバー2、常務補佐(現半導体子会社副社長)だ。 この移籍は、「大村氏がルネサスを辞めることがわかって数日での出来事。 しかも、この引き抜きを知っていたのは、吉田社長、清水氏、(JPモルガン出身で半導体事業の財務企画を務める)染宮秀樹氏くらい。 ソニーが車載向けにかける本気度が伝わってくる」(人材業界関係者)。 大村氏に引っ張られる形で、ルネサスで車載事業のCTO(最高技術責任者)室技師長を務め、大村氏の信頼が厚い板垣克彦氏もソニーへ移籍。 彼らが持つ自動車業界の人脈を使って、マネジメント層の移籍も増えている。 ソニーが2018年に発表した同社の自動運転用ソリューションのコンセプト「セーフティコクーン」。 自動車の周囲360度をセンサーで検知することで、早期に危険回避の準備を可能にする(記者撮影) 半導体事業部門には、7月1日に「システムソリューション事業部」という新部署もできた。 半導体事業において実質的に経営戦略のトップを務める、前出の染宮氏が事業部長に就き、これまでスマホ向け、車載向けなどに分散していたソリューション領域の企画開発を統合、センサーにAIを実装することで、収集したデータを活用するなど、一部品の販売に留まらない展開を目論んでいる。 同部署では「車の『目』だけでなく、現在、アメリカのエヌビディアなどが手がける自動運転車において、人間の「脳」のような推論機能を担う部分へ入るための準備も着々と進めている」(ソニー関係者)という。 大規模な事業買収こそない半導体事業だが、中途採用で新しい血を入れることで、着実に新領域への進出を進めているのだ。

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米サード・ポイント、ソニーに半導体分離再び要求 (写真=ロイター) :日本経済新聞

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ソニーが半導体メーカーとして国内初のトップメーカーになろうとしている。 この内、イメージセンサの売上額は8900億円を見込んでいる()。 キオクシア 旧東芝メモリ は、未上場企業であるため売上額を公開していないが、ある売り上げ予想では2019年度の売上額が7511億円であることから()、ソニーがトップになるのはほぼ間違いない。 このためソニーは2019年度の売り上げ見通しを上方修正し、7月時点で8400億円から8900億円へと予想を500億円伸ばした。 というのは、NANDフラッシュトップのSamsungが19年第2四半期の売り上げを伸ばして市場シェアを拡大したのに対して、第2位の東芝は6月に主力の四日市工場で停電事故があったことから、第2四半期の売り上げを落としたからだ。 市場シェアが第1四半期にSamsungの29. ソニー全体の中での半導体部門の位置づけはどうか。 しかし、ソニー全社は、前年同期比2. スマホは成長の余地がまだあるものの、テレビはもはやローテク。 販売台数の減少によるとソニーは述べている。 つまり、ソニーの半導体といっても、CMOSイメージセンサというカメラの目となる製品に集中した1本足打法になっている。 だから、ソニーの勝利は大丈夫か、という声がないわけではない。 しかし、イメージセンサの将来は実は明るい。 なぜか。 これまでのソニーはiPhoneを主体とするスマホのカメラを作ってきた。 スマホはもはや頭打ち、という声もあるが、実はモバイルコンピューティングはまだ始まったばかり。 ディスプレイやキーボードがついてしかも片手で持ち歩けるスマートフォンというモバイルコンピュータになって初めて、ユビキタスといういつでもどこでも常時接続が可能な時代になってきたのである。 スマホはついでに通話もできるモバイルコンピュータだ。 これがあれば、IoTモニター、家電のリモコン、クレジットカードの決済機など、アプリを追加すれば何にでもなる。 汎用コンピュータそのもの。 だから、今後も成長の余地は大きい。 今はメモリ(DRAM)の値上げによってスマホも値上げされたために需要が落ち込んだにすぎない。 カメラの機能は、従来の2眼から3眼になった。 長距離、中距離、短距離とそれぞれの得意な画像を撮れるようになったため、今年のスマホが伸びなかったが、ソニー半導体は大きく成長した。 今後はクルマや産業機器に 今後は、クルマや産業機器、IoTセンサへの応用が本格化し始める。 クルマでは、自動運転に必要なクルマや人物自転車等の検出に使うカメラ、自動運転は今後2030年までに本格的に発展していく。 事故のないクルマ作りに欠かせないからだ。 しかも、1台のクルマ 大衆車 に10台以上のカメラが搭載されるようになる。 高級車ではすでに10台程度搭載されている。 しかも、要求はスマホとは大きく異なる。 例えばトンネルに入るときや出る時の外界のまぶしさに対処するためダイナミックレンジを広くして暗い所も明るい所も同時に見えるようにする。 LEDライトを人間の目で見る時と同じようにフリッカーがなく見えるようにする。 もちろん、カメラだけでは見えない吹雪や濃霧にはレーダーやLiDARを用いるなどの複数の手段が必要であるが、カメラがなくなることはなく、むしろ増える方向だ。 産業機器ではマシンビジョンというカメラが活躍する。 ロボットに装着すれば、モノをつかむためのカメラとなり、製品や中間製品の外観検査では、良否判定するためのカメラになる。 機械学習やディープラーニングとコンビで使えば、自動外観検査になる。 産業機器では製品などが流れ作業で動いているため、エリアセンサだけではなくリニアセンサとしても使える。 可視光だけではなく赤外線を吸収する材料をフォトダイオードに使えば暗闇でもはっきり見えるようになる。 赤外線センサの波長をグレーティングなどで少しずつ変えれば、物質の成分を検出するスペクトロスコピー機器にもなる。 それもモバイルの分光分析機器が可能になる。 すでに使われているが、IoTセンサとして河川の水量や自然の観察などにももちろんカメラとしても、犯罪を防ぐ監視カメラとしても用途は広い。 応用が増えるだけではない。 カメラ技術も進む。 例えば、色の3原色であるRGB 赤緑青 フィルタのセンサの横に赤外線センサも並べて配置するエリアセンサでは、通常の2次元画像に分析用センサが追加されることになる。 この構造だと、透明な袋に入れた塩と砂糖を簡単に見分けることができる。 すでにパナソニックが有機CMOSイメージセンサとして発表しており、センサの小型軽量化をさらに進められる。 加えて、分析用のAIチップやメモリなども3次元実装により重ねることでモバイル分析機器が可能になり、税関検査などで麻薬や外来ペットなどの侵入を防ぐことにも使える。 医療機器では、5Gと360度イメージセンサを使った遠隔手術や、体内飲み込み型の内視鏡などの用途の他、全盲の患者でも見えるようになる技術にも使える。 CMOSイメージセンサチップと、薄膜固体リチウムイオン電池や演算プロセッサをコンタクトレンズに装着し、センサ出力を視神経と手術でつなぐ。 今の医療では回復できない全盲患者の眼を半導体技術で治療できる可能性が出てきたのである。 こういった将来像を今からでも描ける以上、ソニーのCMOSイメージセンサの未来は明るい。 ビジネス的にCMOSイメージセンサの1本足打法が心配なら、センサと組み合わせて自律的に動くロボットや工場の自動化を推進するAIチップの開発もありうる。 今後の将来がむしろ楽しみになる。 ソニーのファンドであるThird Pointが半導体部門をソニーから分離せよと要求するのは無理もない。 ソニーのモノづくりで唯一成長が期待できる部門だからだ。 参考資料.

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2019年Q3の半導体売上高ランキング、ソニーが9位に

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特に、近年ではユーザーの画質に対するニーズが高まっているので、 顧客のKBF(Key Buying Factor:主要な購買決定要因)は画質といっていいでしょう。 現在のCMOSセンサーには「表面照射型」と「裏面照射型」の2つのタイプがあります。 裏面照射型の方が光を取り込む効率が高いため、暗い場所でも画像が鮮明です。 手ブレにも強いので、スマホ用イメージセンサーの主力は裏面照射型になっています。 しかし、製造は難しく、量産化している企業は世界で4社しかありません。 世界で初めて裏面照射型の量産に成功したのはソニーでした。 また、ソニーは世界で初めて、ハイスピード撮影やスーパースローモーション撮影に優れている「積層型CMOSセンサー」の市場投入に成功しました。 こうしてソニーは「動画の滑らかさ」と「小型化」の点でも優位性を築きました。 ちなみに、サムスン電子が積層型CMOSセンサーを投入したのは、ソニーに1年以上遅れてからのことでした。 ソニーは独自の技術(希少性が高い)によって差別化された製品をいち早く市場投入し、高いマージンと高いシェアを確保。 高いシェアはスケールメリットと学習効果につながり、低コストも実現しました。 90年代にカメラ付き携帯電話が普及し始めるとCMOSセンサーの開発に着手し、当時はCCDよりも画質で劣っていたCMOSセンサーの高画質化に成功します。 その後もいち早く裏面照射型CMOSセンサーの実用化、積層型CMOSセンサーの実用化に成功します。 ソニーの半導体事業は50年近くの歴史を有しています。 長年にわたる技術の蓄積は、簡単にまねできるものではありません。 技術がまねされにくいもう一つの理由は、技術的な優位性の源泉がアナログ的な技にあるからです。 裏面照射型CMOSセンサーを量産する際の難しさは、200~300mm口径のシリコンウエハー(半導体の基板)を薄く削り、かつ平滑にすることです。 もし削りムラがあると、正しい色で撮影ができません。 加えて、受光するセンサー部分と回路を貼り合わせる際にも高度な技が必要です。 こうしたノウハウは独自の生産工程、生産設備、製造オペレーションが一体となったものであり、 完全にブラックボックス化されています。 挑戦的な目標を掲げ、実現していく過程で組織内に「独自の経営資源」を蓄積していく戦略のことを「 オーバーエクステンション戦略(伊丹敬之・考案)」といいます。 言い換えると 「背伸びした戦略」です。 背伸びをすれば、自社の弱い面が浮き彫りになります。 そうすると現場には「何とかしなければ」という緊張感が生まれ、人々の努力を促し、現場の学習が促進されます。 50年間もこれを続ければ、それは組織文化になります。 VRIO分析から、ソニーのCMOSセンサーの競争優位性は、長年にわたって蓄積されてきたまねできない技術と組織能力を中心とした経営資源に支えられていることが理解できます。 今後は自動運転向けなどで車載用のセンサーが伸びると予想され、モバイル用途が中心だったソニーにとってはチャレンジになります。 培ったノウハウに加え、オーバーエクステンション戦略で、新たな知識を獲得できれば、勝ち目は大いにあるでしょう。 「 VRIO分析」についてもっと知りたい方はこちら (「グロービス学び放題」のサイトに飛びます).

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