こぶ たぬき つねこ。 こぶたぬきつねこ なのです

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こぶ たぬき つねこ

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こぶ たぬき つねこ

童謡、ロックな歌詞多くないですか。 以前、 「『犬のおまわりさん』の歌詞はの隠喩である」 という説の偏見プレゼンを作ったことがあるけど、童謡にはそれ以外にも面白い歌詞が多い。 『犬のおまわりさん』のやつはないけど 『こぶたぬきつねこ』のロック精神 まず『こぶたぬきつねこ』っていう題名がヤバない? だってこの曲の歌詞の内容、こぶたぬきつねこに尽きるから。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 そして各々の鳴き声。 それだけ。 歌詞にそれ以外の要素はない。 まじでない。 タイトルで中身語り尽くしてしまってるやん。 ネタバレやん。 最先端。 しかもこぶたたぬききつねねこ、じゃないから。 『こぶたぬきつねこ』やから。 音韻が同じものは省略しちゃってるから。 got to を gonna って言うようなものやから。 ロック~。 そしてこのタイトルによって、「これはどうぶつの名前でしりとりをするというコンセプトの歌ですよ~」と、そこまで明かしちゃうというね。 ここまで明かしちゃうというのは余程中身に自信がないとできない行為ですよ。 ネタバレを厭わないストイックさ。 あと歌詞もいい。 極限まで無駄を削られたシンプルな構成。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 ただそれだけの、しかしかわいらしい歌詞。 それを歌のお兄さんとお姉さんが元気はつらつに歌い上げる。 かと思えば狂ったようにそのどうぶつの鳴き声を叫び出す。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 どうぶつの名前をもう一度かわいく歌って、お? 正気に戻らはったかな? と油断させておいてまた、鳴き声を叫び出す。 ロックだぜ。 前半のかわいいポップさで「なーんだただのじゃねえか」と見くびる雑魚どもを後半のシャウトで黙らせる。 最高にしびれるぜ。 さすが童謡のBABYMETALとの呼び声高い。 いやそんなことはないけど。 もちろんも、それはそれで、良い。 あとポンポコポンはもはや鳴き声ですらない。 お腹叩いてる音じゃん。 たぬき、多分このバンドのドラムなんだと思う。 あるよねロックバンドで。 なんか一人ずつソロの見せ場があって、鮮やかなテクニックで魅せるやつ。 あれだよ。 あのシーンでたぬきは今まで磨きあげてきた渾身の技術で、己の腹をドラムのごとく叩き、ソロパートでファンを魅了するのだ。 熱狂する信者たち。 中には失神する者もいるだろう。 ボーカルはやっぱりねこかな。 中性的でミステリアスな魅力で、たちは皆メロメロに違いない。 きつねはギターっぽい。 シュッとしたクールキャラ。 そして女遊びが激しそう。 こぶたはベースな。 何より、歌詞の中でしりとりをしてしまうという遊び心がずるい。 しかもしりとりをするだけでなく、最初と最後をループさせてしまう高度な創造性は、聴く者に永遠をも感じさせる。 子供たちが生まれて初めて「永遠」の概念を実感するのはこの曲を聴いたときではないだろうか。 その特異性で『こぶたぬきつねこ』は童謡シーンの中でも異彩を放っている。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 「こぶた」!? よりにもよって、しりとりの初っ端から「こぶた」!? 「ぶた」じゃなくて!? めっちゃロックやん。 どうぶつの名前縛りで頭に仔をつけるって反則スレスレやん。 しりとりにおいては「こ責め」を食らって負けそうになってる人がやり出すやつ。 それを初っ端からやってしまうというね。 ロックだ。 普通、「たぬき……きつね……ねこ……何かあったっけ『こ』で始まって『た』で終わるどうぶつ……もうこぶたでええか……」ってなっちゃうものじゃん。 そして実際、この曲が『たぬきつねこぶた』だったら曲の魅力は半減しちゃうわけ。 曲の最後にこぶたを持ってくると、聴いてる方は、「あー、しりとりの帳尻を合わせるためにラストで仔をつけるという禁断に手を出しちゃったわけね」となるわけ。 その場合において、仔という反則は辻褄を合わせるための逃げでしかないわけ。 ここに極まれり、ファンは作者の逃げを感じて興ざめ。 しかし『こぶたぬきつねこ』がそうした興ざめを感じさせない、熱いロック魂をたぎらせる曲になりえたのは、ひとえに「こぶた」という反則をド頭でぶちてくる蛮勇ゆえ。 想像してみてほしい、ここに2つのミステリー小説がある。 1つは淡々とした描写が続いてゆき、ラストで唐突に超能力オチ、慌ただしく回収がなされる。 もう1つは初っ端からど迫力な超能力バトルが始まるが、その後は意外にも地道に淡々とミステリーをやり遂げる。 こう考えれば、どちらの構成が優れているか、また、どちらが聴者 読者 に誠実か、明らかではないだろうか。 最後に唐突に出てきた反則は逃げであり、真面目に付き合ってきた聴者 読者 への裏切りだが、最初から出てきた反則は「そういう作風」である。 最初から反則を堂々とのは大変に勇気がいることだ。 『こぶたぬきつねこ』はそれをやり遂げ、ロックで独創的な世界観を演出してみせた。 そんな『こぶたぬきつねこ』を作り上げた、作者の氏に敬意を評したい。 そして、『こぶたぬきつねこ』とは相反する反則の使い方で、大いなるうねりのごときダイナミズムを産み出しているのが、『料理のさしすせそ』である。 料理のさしすせそのダイナミズム もはや童謡ではないけど、料理のさしすせそは『こぶたぬきつねこ』とは違う意味でぶっとんでるので説明させてほしい。 まず料理のさしすせその、後半に行くにつれて高まるダイナミズムが凄い。 「さ」…砂糖。 なるほどね。 「し」…塩。 うんうん。 まさしく調味料の基本の二大巨頭っすわ。 定番中の定番。 ペットで言えば犬と猫。 「す」…酢。 おお? そのもので来よったな。 「料理のさしすせその『す』ってなーんだ?」「もう答え言うてもうてるやん!」みたいなことやな。 「せ」…醤油。 い!? いですか!? 今まで僕たち現代仮名遣いで喋ってたじゃないすか! 突然明治以前に遡るのずるくないですか? ていうかそんな昔から料理のさしすせそってあるんだ。 「そ」…味噌。 いや、『み』やん! それやったら『そ』ちゃうやん『み』やんけ! 何で突然頭文字やなくて2文字目いってまうねん! 今まで僕たちずっとさ行から始まる調味料を挙げていくルールでやってきたやないですか! なんかもう答え言うてもうてたりとか、急にい出してきたりとか、そういうエキセントリックな挙動は僕ずっと許してきましたけど、今度ばかりは見逃せませんわ。 それはもう料理のさしすせそやない、「料理のさしすせみ」っすわ。 なんやねん「料理のさしすせみ」て。 語呂わる。 ソースでええやんけ。 この、反則を後半で繰り出しまくるという禁断の手法を使っているにも関わらず、料理のさしすせそが尻切れトンボではなくダイナミックなのは、その構成の巧みさと、熱い力押しが要因だ。 まず、反則は最後に唐突に出てくるわけではない。 「す」あたりで読者は既に、うっすらと反則の予兆を感じ始めている。 その予兆は「せ」の答えが出たあたりで確信に変わる。 ああこの料理のさしすせそのトリックは、一筋縄では行かないぞと読者は覚悟する。 そして今か今かと「そ」の答えを待ち受ける。 犯人は一体誰なのか。 故人にリストラされた中年サラリーマンか? 美人秘書か? それとも別居中の妻? ノンノン、そんな単純でひねりのない答えではない。 料理のさしすせそは、「せ」までの展開を更に裏切る。 読者の予想の更に上をいく。 探偵「犯人はあなたですね……味噌さん!」 泣き崩れる味噌。 彼女の父は町工場の工場長、故人の社長の理不尽な契約破棄で町工場が倒産した過去が明らかになる。 モブ「まさか……味噌さん……あなたが社長を殺したなんて……」 前述の通り、ラストで唐突に出てきた反則は逃げの象徴である。 しかし、料理のさしすせそでは、あの最大級の反則は突然出てくるわけではない。 中盤あたりに読者が薄々違和感を持つ描写が伏線として仕込まれており、後半にはいという読者の予想外の展開を持ってくる。 読者は思う。 ここがクライマックスか、さあどうやってここから解決に持っていくんだ? そうではない!! なんと、犯人は味噌という、想像を絶する更なる急展開がそこには待ち受けているのだ!! かっちりと定石を固めてくる序盤、丁寧に伏線を仕込んでくる中盤、予想外のクライマックス、そしてそんなクライマックスを遥かに上回る衝撃を与えるラスト。 なんと巧みな構成だろう。 しかも構成がこれほど巧みでありながら、構成要素たる個々の展開はぶっとんでいる。 後半はもはや反則上等の熱い力押しと言えなくもない。 この、練りに練られた巧みな構成の熱い力押し……そう、である。 料理のさしすせそはなのだ。 その上料理のさしすせそが凄いのは、この構成が、単に展開上のダイナミズムを生むためのものではない点だ。 なんとこの料理のさしすせその並び順、調味料を入れる順番を表しているのだ! 初めに入れて甘みを具材に浸透させる砂糖、下味としての塩、その後で味を調える酢と醤油、火を通すと風味が飛んでしまうため出来上がり直前に加える味噌。 それを知った読者は驚愕する。 なんと、あれほど巧みでダイナミックな構成が、面白さのためでなく調味料を入れる順番を教えるために形成されたものだったなんて……。 これは例えて言うと、が「 2018」にノミネートするようなものである。 として勉強になることがメインにもかかわらず、その上ミステリーとしても面白いだなんて……。 なんということだろう、私は童謡と主婦の知恵を舐めていた。 関連記事 bloodandsugar-akai.

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【再販】こぶたぬきつねこ・手袋シアター

こぶ たぬき つねこ

童謡、ロックな歌詞多くないですか。 以前、 「『犬のおまわりさん』の歌詞はの隠喩である」 という説の偏見プレゼンを作ったことがあるけど、童謡にはそれ以外にも面白い歌詞が多い。 『犬のおまわりさん』のやつはないけど 『こぶたぬきつねこ』のロック精神 まず『こぶたぬきつねこ』っていう題名がヤバない? だってこの曲の歌詞の内容、こぶたぬきつねこに尽きるから。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 そして各々の鳴き声。 それだけ。 歌詞にそれ以外の要素はない。 まじでない。 タイトルで中身語り尽くしてしまってるやん。 ネタバレやん。 最先端。 しかもこぶたたぬききつねねこ、じゃないから。 『こぶたぬきつねこ』やから。 音韻が同じものは省略しちゃってるから。 got to を gonna って言うようなものやから。 ロック~。 そしてこのタイトルによって、「これはどうぶつの名前でしりとりをするというコンセプトの歌ですよ~」と、そこまで明かしちゃうというね。 ここまで明かしちゃうというのは余程中身に自信がないとできない行為ですよ。 ネタバレを厭わないストイックさ。 あと歌詞もいい。 極限まで無駄を削られたシンプルな構成。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 ただそれだけの、しかしかわいらしい歌詞。 それを歌のお兄さんとお姉さんが元気はつらつに歌い上げる。 かと思えば狂ったようにそのどうぶつの鳴き声を叫び出す。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 どうぶつの名前をもう一度かわいく歌って、お? 正気に戻らはったかな? と油断させておいてまた、鳴き声を叫び出す。 ロックだぜ。 前半のかわいいポップさで「なーんだただのじゃねえか」と見くびる雑魚どもを後半のシャウトで黙らせる。 最高にしびれるぜ。 さすが童謡のBABYMETALとの呼び声高い。 いやそんなことはないけど。 もちろんも、それはそれで、良い。 あとポンポコポンはもはや鳴き声ですらない。 お腹叩いてる音じゃん。 たぬき、多分このバンドのドラムなんだと思う。 あるよねロックバンドで。 なんか一人ずつソロの見せ場があって、鮮やかなテクニックで魅せるやつ。 あれだよ。 あのシーンでたぬきは今まで磨きあげてきた渾身の技術で、己の腹をドラムのごとく叩き、ソロパートでファンを魅了するのだ。 熱狂する信者たち。 中には失神する者もいるだろう。 ボーカルはやっぱりねこかな。 中性的でミステリアスな魅力で、たちは皆メロメロに違いない。 きつねはギターっぽい。 シュッとしたクールキャラ。 そして女遊びが激しそう。 こぶたはベースな。 何より、歌詞の中でしりとりをしてしまうという遊び心がずるい。 しかもしりとりをするだけでなく、最初と最後をループさせてしまう高度な創造性は、聴く者に永遠をも感じさせる。 子供たちが生まれて初めて「永遠」の概念を実感するのはこの曲を聴いたときではないだろうか。 その特異性で『こぶたぬきつねこ』は童謡シーンの中でも異彩を放っている。 こぶた、たぬき、きつね、ねこ。 「こぶた」!? よりにもよって、しりとりの初っ端から「こぶた」!? 「ぶた」じゃなくて!? めっちゃロックやん。 どうぶつの名前縛りで頭に仔をつけるって反則スレスレやん。 しりとりにおいては「こ責め」を食らって負けそうになってる人がやり出すやつ。 それを初っ端からやってしまうというね。 ロックだ。 普通、「たぬき……きつね……ねこ……何かあったっけ『こ』で始まって『た』で終わるどうぶつ……もうこぶたでええか……」ってなっちゃうものじゃん。 そして実際、この曲が『たぬきつねこぶた』だったら曲の魅力は半減しちゃうわけ。 曲の最後にこぶたを持ってくると、聴いてる方は、「あー、しりとりの帳尻を合わせるためにラストで仔をつけるという禁断に手を出しちゃったわけね」となるわけ。 その場合において、仔という反則は辻褄を合わせるための逃げでしかないわけ。 ここに極まれり、ファンは作者の逃げを感じて興ざめ。 しかし『こぶたぬきつねこ』がそうした興ざめを感じさせない、熱いロック魂をたぎらせる曲になりえたのは、ひとえに「こぶた」という反則をド頭でぶちてくる蛮勇ゆえ。 想像してみてほしい、ここに2つのミステリー小説がある。 1つは淡々とした描写が続いてゆき、ラストで唐突に超能力オチ、慌ただしく回収がなされる。 もう1つは初っ端からど迫力な超能力バトルが始まるが、その後は意外にも地道に淡々とミステリーをやり遂げる。 こう考えれば、どちらの構成が優れているか、また、どちらが聴者 読者 に誠実か、明らかではないだろうか。 最後に唐突に出てきた反則は逃げであり、真面目に付き合ってきた聴者 読者 への裏切りだが、最初から出てきた反則は「そういう作風」である。 最初から反則を堂々とのは大変に勇気がいることだ。 『こぶたぬきつねこ』はそれをやり遂げ、ロックで独創的な世界観を演出してみせた。 そんな『こぶたぬきつねこ』を作り上げた、作者の氏に敬意を評したい。 そして、『こぶたぬきつねこ』とは相反する反則の使い方で、大いなるうねりのごときダイナミズムを産み出しているのが、『料理のさしすせそ』である。 料理のさしすせそのダイナミズム もはや童謡ではないけど、料理のさしすせそは『こぶたぬきつねこ』とは違う意味でぶっとんでるので説明させてほしい。 まず料理のさしすせその、後半に行くにつれて高まるダイナミズムが凄い。 「さ」…砂糖。 なるほどね。 「し」…塩。 うんうん。 まさしく調味料の基本の二大巨頭っすわ。 定番中の定番。 ペットで言えば犬と猫。 「す」…酢。 おお? そのもので来よったな。 「料理のさしすせその『す』ってなーんだ?」「もう答え言うてもうてるやん!」みたいなことやな。 「せ」…醤油。 い!? いですか!? 今まで僕たち現代仮名遣いで喋ってたじゃないすか! 突然明治以前に遡るのずるくないですか? ていうかそんな昔から料理のさしすせそってあるんだ。 「そ」…味噌。 いや、『み』やん! それやったら『そ』ちゃうやん『み』やんけ! 何で突然頭文字やなくて2文字目いってまうねん! 今まで僕たちずっとさ行から始まる調味料を挙げていくルールでやってきたやないですか! なんかもう答え言うてもうてたりとか、急にい出してきたりとか、そういうエキセントリックな挙動は僕ずっと許してきましたけど、今度ばかりは見逃せませんわ。 それはもう料理のさしすせそやない、「料理のさしすせみ」っすわ。 なんやねん「料理のさしすせみ」て。 語呂わる。 ソースでええやんけ。 この、反則を後半で繰り出しまくるという禁断の手法を使っているにも関わらず、料理のさしすせそが尻切れトンボではなくダイナミックなのは、その構成の巧みさと、熱い力押しが要因だ。 まず、反則は最後に唐突に出てくるわけではない。 「す」あたりで読者は既に、うっすらと反則の予兆を感じ始めている。 その予兆は「せ」の答えが出たあたりで確信に変わる。 ああこの料理のさしすせそのトリックは、一筋縄では行かないぞと読者は覚悟する。 そして今か今かと「そ」の答えを待ち受ける。 犯人は一体誰なのか。 故人にリストラされた中年サラリーマンか? 美人秘書か? それとも別居中の妻? ノンノン、そんな単純でひねりのない答えではない。 料理のさしすせそは、「せ」までの展開を更に裏切る。 読者の予想の更に上をいく。 探偵「犯人はあなたですね……味噌さん!」 泣き崩れる味噌。 彼女の父は町工場の工場長、故人の社長の理不尽な契約破棄で町工場が倒産した過去が明らかになる。 モブ「まさか……味噌さん……あなたが社長を殺したなんて……」 前述の通り、ラストで唐突に出てきた反則は逃げの象徴である。 しかし、料理のさしすせそでは、あの最大級の反則は突然出てくるわけではない。 中盤あたりに読者が薄々違和感を持つ描写が伏線として仕込まれており、後半にはいという読者の予想外の展開を持ってくる。 読者は思う。 ここがクライマックスか、さあどうやってここから解決に持っていくんだ? そうではない!! なんと、犯人は味噌という、想像を絶する更なる急展開がそこには待ち受けているのだ!! かっちりと定石を固めてくる序盤、丁寧に伏線を仕込んでくる中盤、予想外のクライマックス、そしてそんなクライマックスを遥かに上回る衝撃を与えるラスト。 なんと巧みな構成だろう。 しかも構成がこれほど巧みでありながら、構成要素たる個々の展開はぶっとんでいる。 後半はもはや反則上等の熱い力押しと言えなくもない。 この、練りに練られた巧みな構成の熱い力押し……そう、である。 料理のさしすせそはなのだ。 その上料理のさしすせそが凄いのは、この構成が、単に展開上のダイナミズムを生むためのものではない点だ。 なんとこの料理のさしすせその並び順、調味料を入れる順番を表しているのだ! 初めに入れて甘みを具材に浸透させる砂糖、下味としての塩、その後で味を調える酢と醤油、火を通すと風味が飛んでしまうため出来上がり直前に加える味噌。 それを知った読者は驚愕する。 なんと、あれほど巧みでダイナミックな構成が、面白さのためでなく調味料を入れる順番を教えるために形成されたものだったなんて……。 これは例えて言うと、が「 2018」にノミネートするようなものである。 として勉強になることがメインにもかかわらず、その上ミステリーとしても面白いだなんて……。 なんということだろう、私は童謡と主婦の知恵を舐めていた。 関連記事 bloodandsugar-akai.

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