少納言よ、香炉峰の雪いかならむ 品詞分解。 枕草子

枕草子雪のいと高う降りたるを299段品詞分解

少納言よ、香炉峰の雪いかならむ 品詞分解

「黒=原文」・ 「赤=解説」・ 「青=現代語訳」 原文・現代語訳のみはこちら 雪のいと高う降り たるを、 例 なら ず 御格子(みかうし)まゐりて、 たる=存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 例=名詞、ふつう なら=断定の助動詞「なり」の未然形、接続は体言・連体形 ず=打消しの助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 御格子まゐりて=のちに「御格子上げさせて」とあるので、「御格子をおろして」と訳す 雪がたいそう高く降り積もっているに、いつもとは違って、御格子をおろして 炭櫃(すびつ)に火おこして、 物語などして集まり さぶらふに、 物語=名詞、話すこと、話 さぶらふ=ハ行四段、謙譲語、(貴人のそばに)お仕えする、お仕え申し上げる。 動作の対象である中宮定子を敬っている 炭櫃(囲炉裏)に火をおこして、(女房達が)話などして(中宮定子のそばに)集まってお仕えしていたところ、 「少納言よ、香炉峰(かうろほう)の雪、 いかなら む」と 仰せ らるれ ば、 いかなら(如何なら)=ナリ活用の形容動詞「いかなり」の未然形 む=推量の助動詞「む」の終止形 仰す(おほす)=「言ふ」の尊敬語、おっしゃる。 動作の主体(おっしゃる人)である中宮定子を敬っている らるれ=尊敬の助動詞「らる」の已然形、接続は未然形。 直前の「仰せ」と合わせて二重敬語、いずれも中宮定子を敬っている。 助動詞「らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の4つの意味があるが、「仰せらる」と来る場合の「らる」は必ず「尊敬」と思ってよい。 「少納言よ、香炉峰の雪はどのようだろう。 」とおっしゃるので、 御格子あげ させて、御簾(みす)を高くあげ たれ ば、笑は せ たまふ。 させ=使役の助動詞「さす」の連用形、接続は未然形。 直後に尊敬語が来ないときは尊敬の意味にはならず「使役」の意味となる。 ここでは、作者(清少納言)が御格子のそばにいた女房に御格子を上げさせたということである。 動作の主体(笑う人)である中宮定子を敬っている。 直後に尊敬語(たまふ)が来ているため「尊敬」か「使役」のどちらの意味であるかは文脈判断で決める。 たまふ=補助動詞ハ行四段、尊敬語。 上記の「せ」と合わせて二重敬語であり、中宮定子を敬っている。 現代語で二重敬語を使うと間違った言葉使いなので、二重敬語であっても現代語訳は普通の敬語で訳す。 (私(作者)が女房に)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮定子が)お笑いになる。 人々も、「 さることは知り、歌などに さへうたへど、思ひ こそよら ざり つれ。 さること(然ること)=そのようなこと、あのようなこと。 ここでは白居易の「香炉峰下~」の漢詩を指している。 「さる(連体詞)/こと(名詞)」 さへ=副助詞、意味は添加、…までも こそ=強調の係助詞、結びは已然形となり、「つれ」が結びとなっている。 係り結び。 ざり=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 つれ=完了の助動詞「つ」の已然形、接続は連用形。 「こそ」を受けて已然形となっている。 係り結び。 女房達も、「そのような漢詩(白居易の「香炉峰下~」の漢詩)は知っており、歌などにまで歌うけれども、(御簾をまき上げる動作でお答えするということは)思いつきませんでした。 なほ、この 宮の人には、 さ べき な めり。 」と言ふ。 なほ=副詞、やはり 宮=名詞、皇族の敬称、天皇の親族である人のことをいう。 ここでは、中宮定子のこと。 さべき=「さ/べき」、しかるべき人、適当である人 さ=副詞、あるいはラ変の動詞「さり(然り)」の連体形が音便化したもの べき=適当の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。 「べき」と連体形になっているのは、直後に「人(体言)」が省略されているから。 な=断定の助動詞「なり」の連体形、接続は体言・連体形。 めり=推定の助動詞「めり」の終止形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。 「推定」と「推量」は意味が若干異なり、「推量」とは根拠は特にないが予想することであり、「推定」とは何らかの根拠を以て推測することである。 なかでもこの「めり」は見たことを根拠に推測する推定の助動詞である。 やはり、この中宮定子様に(お仕えする人として)は、ふさわしい人であるようだ。 」と言った。 lscholar.

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「雪のいと高う降りたるを」の現代語訳

少納言よ、香炉峰の雪いかならむ 品詞分解

「黒=原文」・ 「青=現代語訳」 解説・品詞分解はこちら 雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子(みかうし)まゐりて、 雪がたいそう高く降り積もっているに、いつもとは違って、御格子をおろして 炭櫃(すびつ)に火おこして、物語などして集まりさぶらふに、 炭櫃(囲炉裏)に火をおこして、(女房達が)話などして(中宮定子のそばに)集まってお仕えしていたところ、 「少納言よ、香炉峰(かうろほう)の雪、いかならむ」と仰せらるれば、 「少納言よ、香炉峰の雪はどのようだろう。 」とおっしゃるので、 御格子あげさせて、御簾(みす)を高くあげたれば、笑はせたまふ。 (私(作者)が女房に)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮定子が)お笑いになる。 人々も、「さることは知り、歌などにさへうたへど、思ひこそよらざりつれ。 女房達も、「そのような漢詩(白居易の「香炉峰下~」の漢詩)は知っており、歌などにまで歌うけれども、(御簾をまき上げる動作でお答えするということは)思いつきませんでした。 なほ、この宮の人には、さべきなめり。 」と言ふ。 やはり、この中宮定子様に(お仕えする人として)は、ふさわしい人であるようだ。 」と言った。 解説・品詞分解はこちら lscholar.

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【随想】無料で学ぶ古文文法&読解問題

少納言よ、香炉峰の雪いかならむ 品詞分解

仁和寺にある法師、年寄るまで、石 いは 清水 しみず を拝ま【 A 】ければ、 ア心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、 B徒歩よりまうでけり。 聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。 カゆかしかりしかど、神へ参るこそ C本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。 すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。 問二 空欄Aに、助動詞「ず」を活用させて入れなさい。 問三 傍線部B、Cの漢字の読みを、平仮名、現代仮名遣いで答えなさい。 問四 二重傍線部ア、ウ、エ、カを現代語に訳しなさい。 問五 二重傍線部イとあるが、何が「かばかり」なのか説明しなさい。 問六 二重傍線部オとあるが、なぜ皆山に登っていたのか、説明しなさい。 徒然草・をりふしの移り変はるこそ 十六 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 青葉になり行くまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます。 山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひすてがたきこと多し。 C六月の頃、あやしき家に夕顔の白く見えて、 D蚊遣火ふすぶるもあはれなり。 六月祓へまたをかし。 七夕まつるこそなまめかしけれ。 やうやう夜寒になるほど、 ( C )なきてくるころ、萩の下葉色づくほど、早稲田刈り干すなど、とりあつめたる事は秋のみぞ多かる。 また ( D )の E朝こそをかしけれ。 問四 空欄A~Dに入る語句を、次の中から一つずつ選びなさい。 ア 野分 イ 霞 ウ 雁 エ あやめ 問五 二重傍線部A~Eの漢字の読みを、平仮名、現代仮名遣いで答えなさい。 徒然草・九月二十日のころ 十八 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 Bやがてかけこもらましかば、くちをしからまし。 あとまで見る人ありとは、いかでか知らん。 Cかやうのことは、ただ朝夕の心づかひによるべし。 その人、ほどなく失せにけりと聞き 6はべりし。 設問 問一 傍線部1~6の敬語について、敬語の種類と、誰から誰への敬意かを答えなさい。 問三 波線部ア、イの読みを答えなさい。 問四 二重傍線部Aを、誰の動作かがわかるように現代語に訳しなさい。 問五 二重傍線部Bを現代語訳しなさい。 問六 二重傍線部Cについて、 (1)「かやうのこと」の具体的な内容を答えなさい。 (2)この人に「朝夕の心づかひ」があると筆者が判断した理由を答えなさい。 徒然草・心なしと見ゆる者も 十九 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (徒然草・心なしと見ゆる者も) 心なしと見ゆる者も、よき一言いふものなり。 ウ孝養の心なき者も、子持ちてこそ、親の志は思ひ知るなれ。 世をすてたる人 2の、万にするすみなるが、なべてほだし多かる人 3の、万にへつらひ、望ふかきを見て、無下に思ひくたすは B僻事なり。 人、恒の産なき時は、恒の心なし。 人、きはまりて盗みす。 世治まらずして、凍餒の苦しみあらば、とがの者絶ゆべからず。 さて、いかがして人を恵むべきとならば、上の奢り費す所をやめ、民を撫で農を勧めば、下に利あらん事、疑ひあるべからず。 衣食世の常なる上に僻事せん人をぞ、まことの盗人とはいふべき。 設問 問一 傍線部1~4の「の」のうち、他と用法の異なるものを一つ選べ。 問三 二重傍線部ア~オを現代語に訳しなさい。 問四 波線部Aの指示内容を答えなさい。 問五 波線部Bについて、 (1)読みを答えなさい。 (2)何が「僻事」なのか、簡潔に答えなさい。 問六 波線部C「されば」の内容を答えなさい。 問七 波線部Dについて、 (1)何が「不便のわざ」なのか、答えなさい。 (2)(1)で答えたものが、なぜ「不便のわざ」なのか、答えなさい。 徒然草・さしたることなくて 二十 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (徒然草・さしたることなくて) さしたることなくて ア人のがり行くは、よからぬ事なり。 久しく居たる、 ウいとむつかし。 人と向ひたれば、ことば多く、身もくたびれ、心も静かならず、よろづのこと障りて時を移す、互ひのため益なし。 心づきなき事あらん折は、 エなかなかその由をも言ひてん。 そのこととなきに、人の来 きた りて、のどかに物語して帰りぬる、いとよし。 問二 二重傍線部ア~エを現代語に訳しなさい。 問三 二重傍線部オとあるが、それはなぜか、簡潔に説明しなさい。 徒然草・世に語り伝ふること 二一 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (徒然草・世に語り伝ふること) 世に語り伝ふること、 アまことはあいなきにや、多くは皆虚言 そらごと なり。 あるにも過ぎて人は物を言ひなすに、まして、年月過ぎ、境も隔たりぬれば、言ひたきままに語りなして、筆にも書きとどめぬれば、 イやがて又定まりぬ。 エ音に聞くと見る時とは、何事もかはるものなり。 かつあらはるるをも顧みず、口にまがせて言ひ散らすは、やがて浮きたることと聞ゆ。 又、我も誠しからずは思ひながら、人の言ひしままに、鼻のほどおごめきて言ふは、その人のそらごとにはあらず。 げにげにしく、ところどころうちおぼめき、よく知らぬよしして、さりながら、つまづまあはせて語る虚言は、 オおそろしき事なり。 とにもかくにも、虚言多き世なり。 ただ、常にある、めづらしからぬ事のままに心得たらん、よろづ違ふべからず。 下ざまの人の物語は、耳おどろく事のみあり。 よき人は怪しき事を語らず。 かくはいへど、仏神の奇特、権者の伝記、さのみ信ぜざるべきにもあらず。 これは、 キ世俗の虚言をねんごろに信じたるもをこがましく、「 クよもあらじ」など言ふも詮なければ、大方はまことしくあひしらひて、ひとへに信ぜず、また疑ひ嘲るべからず。 問三 二重傍線部ア、ウ、エ、カ、キ、クを現代語に訳しなさい。 問四 二重傍線部イについて、 (1)現代語に訳しなさい。 (2)なぜそうなるのか、答えなさい。 問五 二重傍線部オとあるが、なぜ恐ろしいのか、簡潔に説明しなさい。 方丈記・ゆく河の流れ 二二 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (方丈記・ゆく河の流れ) ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 世の中にある、人と住みかと、また アかくのごとし。 たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へ 1る、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔あり 2し家はまれなり。 あるいは去年焼けて今年作れり。 あるいは大家滅びて小家となる。 住む人もこれに同じ。 所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中にわづか一人、二人なり。 朝に死に、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。 知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る。 また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ば 3しむる。 その、 イ主と住みかと無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。 あるいは露落ちて花残れ 4り。 残るといへども朝日に枯れ 5ぬ。 あるいは花しぼみて露なほ消えず。 消えずといへども夕を待つことなし。 設問 問一 傍線部1~5の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。 問二 二重傍線部アの「かく」とはどういうことか説明しなさい。 問三 二重傍線部イとはどういうことか、その後の比喩を参考にしつつ、簡潔に説明しなさい。 次の文章を読んで、後の設問に答えよ。 (方丈記・安元の大火) 予、 アものの心を 1知れりしより、四十あまりの イ春秋を送れるあひだに、世の不思議を見ること、ややたびたびになりぬ。 2いにし安元三年四月二十八日かとよ。 風激しく吹きて、 3静かならざりし夜、 ウ戌の時ばかり、都の東南より火いできて、西北に至る。 果てには朱雀門、大極殿、大学寮、民部省などまで移りて、一夜のうちに塵灰と 4なりにき。 火もとは、樋口富小路とかや。 舞人を宿せる仮屋よりいできたりけるとなん。 吹き迷ふ風に、 エとかく移りゆくほどに、扇を広げたるがごとく末広になりぬ。 遠き家は煙にむせび、近きあたりはひたすら炎を地に吹きつけたり。 空には灰を吹きたてたれば、火の光に映じて、あまねく紅なる中に、風に堪へず、吹き切られたる炎、飛ぶがごとくして、一、二町を越えつつ移りゆく。 その中の人、 オうつし心あらんや。 あるいは煙にむせびて倒れ臥し、あるいは炎にまぐれてたちまちに死ぬ。 あるいは身一つ辛うじてのがるるも、資財を取りいづるに及ばず。 七珍万宝 カさながら灰燼となりにき。 その キ費え 、いくそばくぞ。 そのたび、公卿の家十六焼けたり。 まして、そのほか数へ知るに及ばず。 すべて都のうち三分が一に及べりとぞ。 男女死ぬるもの数十人。 馬牛のたぐひ辺際を知らず。 人の営み、みな愚かなる中に、さしも危ふき京中の家を作るとて、財を費やし、心を悩ますことは、すぐれて クあぢきなくぞはべる。 設問 問一 傍線部1~4を文法的に説明しなさい。 問二 二重傍線部ア~クの意味を答えなさい。 方丈記・養和の飢饉 二三 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (方丈記・養和の飢饉) 前の年かくのごとくからうじて暮れ 1ぬ。 明くる年は立ち直る2べきかと思ふほどに、 Aあまりさへ疫癘うちそひて Bまさざまにあとかたなし。 世の人みなけいしぬれば、日を経つつきはまりゆくさま、 ア少水の魚のたとへにかなへ 3り。 はてには笠うち着足引き包み、よろしき姿したるもの、ひたすらに家ごとに乞ひありく。 イかくわびしれたるものどものありくかと見れば、すなはち倒れ伏しぬ。 築地のつら道のほとりに飢え死ぬるもののたぐひ、数も知らず。 取り捨つるわざも知ら 4ねば、 ウくさき香世界に満ち満ちて、変はりゆくかたちありさま、目も当てられぬこと多かり。 Cいはむや河原などには馬、車の行きかふ道だになし。 あやしき賤山がつも力尽きて、薪さへ乏しくなりゆけば、頼むかたなき人は エみづからが家をこぼちて、市に出でて売る。 D一人が持ちて出でたる価、一日が命にだに及ばずとぞ。 オあやしきことは、薪の中に、赤き丹着き、箔など所々に見ゆる木あひまじはりけるを尋ぬれば、すべきかたなきもの、古寺に至りて仏を盗み、堂の物の具を破り取りて、割り砕けるなりけり。 E濁悪の世にしも生まれ合ひて、かかる心憂きわざをなん見はべり 5し。 設問 問一 傍線部1~5の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。 問二 二重傍線部A~Eを現代語訳しなさい。 問三 波線部アは何をたとえたものか、簡潔に答えなさい。 問四 波線部イと対比して用いられている語句と、本文中から十字以内で書き抜きなさい。 問五 波線部ウについて、なぜ「くさき香」が満ちているのか答えなさい。 問六 波線部エについて、なぜそうしなければならないのか答えなさい。 問七 波線部オについて、 (1) なにが「あやしきこと」なのか、答えなさい。 (2)真相はどうであったのか、答えなさい。 枕草子・二月つごもりごろに 二四 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (枕草子・二月つごもりごろに) a二月つごもりごろに、風いたう吹きて空いみじう黒きに、雪少しうち散りたるほど、黒戸に b主殿司来て、「かうてさぶらふ」と言へば、寄りたるに、「これ、公任の宰相殿の」とてあるを見れば、懐紙に、 少し春あるここちこそすれ とあるは、げにけふのけしきにいとよう合ひたるも、 アこれが本はいかでかつくべからむ、と思ひわづらひぬ。 「たれたれか」と問へば、「それそれ」と言ふ。 イ皆いと恥づかしき中に、宰相の御いらへを、いかで事なしびに言ひいでむ、と心一つに苦しきを、御前に御覧ぜさせむとすれど、上のおはしまして大殿ごもりたり。 主殿司は、「 ウとくとく」と言ふ。 げにおそうさへあらむは、いと取り所なければ、さはれとて、 エ空寒み花にまがへて散る雪に と、わななくわななく書きて取らせて、いかに思ふらむとわびし。 設問 問一 二重傍線部ア~キを現代語訳しなさい。 問二 波線部a~cの漢字の読みを、平仮名、現代仮名遣いで答えなさい。 枕草子・雪のいと高う降りたるを 二五 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (枕草子・雪のいと高う降りたるを) 雪のいと高う降り 1たるを、例ならず ア御格子参りて、 イ炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、「少納言よ、香炉峰の雪いかなら 2む。 なほ、この宮の人には、 4さべきなめり。 」と言ふ。 設問 問一 傍線部1~3の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。 問二 傍線部4を文法的に説明しなさい。 問三 二重傍線部ア~ウの読み平仮名、現代仮名遣いでを答えなさい。 枕草子・中納言参り給ひて 二八 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 アそれを張らせて参らせむとするに、 イおぼろけの紙はえ張るまじければ、もとめ侍るなり」と申し給ふ。 『さらにまだ見ぬ骨のさまなり』となむ人々申す。 エかやうの事こそは、かたはらいたきことのうちに入れつべけれど、「一つな落としそ」と言へば、いかがはせむ。 問三 傍線部a~cの助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。 問四 二重傍線部ア~ウを現代語に訳しなさい。 問五 二重傍線部エの内容を、簡潔に答えなさい。 枕草子・村上の先帝の御時に 二九 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (枕草子・村上の先帝の御時に) 次の文章を読んで、後の設問に答えよ。 (枕草子・村上の先帝の御時に) 村上の先帝の御時に、雪のいみじう降りたりけるを、様器に盛ら( A )給ひて、梅の花をさして、月のいと明かきに、「これに歌よめ。 いかが言ふべき。 「歌などよむは世の常なり。 かく、折に合ひたることなむ、言ひがたき。 」とぞ仰せられける。 同じ人を御供にて、ア殿上に人候はざりけるほど、たたずま( C )給ひけるに、火櫃にけぶりの立ちければ、「イかれは何ぞと見よ。 蛙の飛び入りて焼くるなりけり。 問二 空欄A~Cに、助動詞「す」または「さす」を活用させて入れなさい。 問三 傍線部アを現代語に訳しなさい。 問四 傍線部イについて、 (1)「かれ」が何を指すのか、 (2)実際は何であったのかをそれぞれ答えなさい。 問五 Xの和歌から掛詞を二つ指摘し、何と何が掛けられているのか説明しなさい。 枕草子・すさまじきもの 三十 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。 (枕草子・すさまじきもの) すさまじきもの。 三、四月の紅梅の衣。 牛死にたる牛飼。 乳児亡くなりたる産屋。 博士のうちつづき女子生ませたる。 ア方違へに行きたるに、あるじせぬ所。 まいて節分などは、いとすさまじ。 人の国よりおこせたる文 aの物なき。 イ京のをも、さこそ思ふらめ。 されどそれは、ゆかしき事どもをも書き集め、世にある事などをも聞けば、いとよし。 あやしう遅き」と待つ程に、ありつる文、立文をも結びたるをも、いと汚げに取りなし、ふくだめて、上に引きたりつる墨など消えて、「おはしまさざりけり」もしは、「御物忌とて取り入れず」と言ひて持て帰りたる、いとわびしく、すさまじ。 また、家の内なる男君の、来ずなりぬる、いとすさまじ。 さるべき人の、 ウ宮仕へするがりやりて、いつしかと思ひゐたるも、いとあいなし。 女迎ふる男、 カまいていかならむ。 待つ人ある所に夜すこし更けて忍びやかに門たたけば、胸すこしつぶれて、人出だして問はするに、あらぬよしなき者の、名のりして来たるも、返す返すもすさまじと キ言ふはおろかなり。 験者 cの、物の怪調ずとて、いみじうしたり顔に、独鈷や数珠など持たせ、蝉の声しぼり出だして読みゐたれど、いささか クさりげもなく、護法もつかねば、集りゐ念じたるに、男も女もあやしと思ふに、時のかはるまで読み困じて、「 ケさらにつかず。 いみじうねぶたしと思ふに、 コいとしもおぼえぬ人の、押し起こして、せめてもの言ふこそ、いみじうすさまじけれ。 問二 傍線部a~cの「の」のうち、他と用法が異なるものを一つ選びなさい。 問三 二重傍線部アを現代語訳しなさい。 問四 二重傍線部イについて、 (1)具体的な内容がわかるように、現代語訳しなさい。 (2)そのことに対して筆者はどう考えているか、説明しなさい。 問五 二重傍線部ウ~オを現代語訳しなさい。 問六 二重傍線部カは、どういうことについて言っているのか、説明しなさい。 問七 二重傍線部キの意味を答えなさい。 問八 二重傍線部ク~コを、具体的な内容がわかるように現代語訳しなさい。

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